不動産ジャーナリスト 大越事務所
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【連載】仲介業の「囲い込み」解消へ抜本対策②
~中古住宅市場の活性化対策~

自民党政調会の住宅土地・都市政策調査会の「中古住宅市場活性化小委員会」(委員長=鶴保庸介参議院議員・元国土交通副大臣)では、「中古住宅市場の革命」と題して、このほど8つの提言をまとめました。その中の【提言1=「囲い込み」解消の抜本的改善】は前回述べたので、今回は、同じ重要事項の残りの7つの提言を見てみることにします。そのいずれもが、国土交通省が具体化を図ろうとして現在取り組んでいるものです。

【提言2=インスペクション(建物検査)等の活用促進による情報の非対称性解消に向けた新たな取引ルールの構築】

中古住宅売買時、住宅品質に対する買主の不安が解消されるように、また、インスペクションの一層の普及を図るため、「既存住宅インスペクション・ガイドライン」(国交省が平成25年6月にまとめたもの)の利用促進が求められています。 売主・買主・媒介事業者の責任の範囲等が取引当事者に分かりやすくなるよう、事業者団体共通となる「標準売買契約書」を作成すること。また、消費者がインターネットを通じて、中古住宅の正しい情報が得られるよう、不動産広告上の統一ルールを整備する姿勢が必要です。

【提言3=長期優良住宅の普及、一般住宅のリフォーム履歴等の保存・活用】

新築と異なる中古住宅の特性をふまえ、中古住宅の長期優良化の認定制度を創設すること。また、中古住宅の長期優良化を推進するため、住宅の長寿命化に資するリフォームの支援が必要不可欠です。

【提言4=担保評価を含む「20年で一律価値ゼロ」とみなす市場慣行の抜本的改善】

不動産鑑定評価手法の一つである原価法などの「建物評価ルール」について、適切に再調達原価を把握し、建物の性能やリフォーム等の状況を耐用年数に適切に反映するなどの抜本的見直しを行うべきと考えます。

【提言5=中古マンションの管理情報の開示】

中古マンション取引時において、建物に関する各種の管理情報は、できるだけ買主側に提供されることが重要です。このためには、マンション標準管理規約にある修繕履歴等の管理情報に係る規定等を見直し、購入予定者(媒介事業者を含む)の求めに応じて、マンションの管理状況を示す情報を開示することが必要となってきます。

【提言6=不動産総合データベースの構築】

米国には、様々な物件情報や不動産関連情報を集約し、不動産業者だけでなく消費者にも広く開示する『MLS』という仕組みがあり、不動産情報の透明性が高いです。日本においても、不動産取引に必要な情報を集約した不動産総合データベースの整備やレインズとの連携を、モデル都市における実証を踏まえて推進すべきと考えます。

【提言7=新たなビジネスモデルとその環境整備】

買取再販事業は、個人が行うリフォームに比べて汎用性が高く、かつ合理的なコストが提供されることから、中古住宅市場活性化の起爆剤となることが期待されています。この買取再販事業に加えて、リバースモーゲージ普及促進のための環境整備が必要となってきます。

【提言8=増大する空き家の市場での流通・活用の促進】

個人住宅の有効活用に関する総合的な相談を、ワンストップで受け付ける体制整備、及び、個人住宅の有効活用に資するモデル的取り組みの支援が求められます。

(平成27年10月掲載)

出典:『不動産×IT』研究所

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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